ポケットWi-Fiの導入を検討しているなら「ギガ放題」のプランについては特に慎重に判断することをおすすめします。
ポケットWi-Fiを快適に利用するにあたってギガ放題プランは非常に便利なものですが、その一方で気をつけておきたいポイントもいくつか存在しています。
この記事ではポケットWi-Fiのレンタル契約にまつわるさまざまな疑問点を解消しながら、ギガ放題のメリットとデメリットについてもわかりやすく紹介しています。
ポケットWi-Fiレンタルとギガ放題について悩んでいる方の参考となれば幸いです。

ポケットWi-Fiって何ができるの?

ポケットWi-Fiって何ができるの?
ポケットWi-Fiとは、ポケットに入れて持ち歩くことを前提としたWi-Fiルーターです。
正式には「モバイルルーター」や「モバイルWi-Fi」と呼ばれることの方が多く、ポケットWi-Fiはあくまで愛称の一種と考えていいでしょう。

一般的なWi-Fiルーターは光回線に接続して、その高速回線を広いエリアに拡散させるイメージの機器となっています。
それに対してポケットWi-Fiは基本的には「個人用のWi-Fi」です。
ポケットサイズのためWi-Fi電波を拡散できる範囲はそこまで広くはなく、持ち運んでいる本人だけが使用するものとなっています。

そしてポケットWi-Fiの大元は光回線ではなく「5G/4G/WiMAX」といったスマートフォン用の衛星回線
である点も大きな違いと言えるでしょう。
つまりポケットWi-Fiは単体では「Wi-Fi電波を飛ばすだけのスマホ」であって、それだけを持っていても意味がありません。
ポケットWi-Fiが真価を発揮するのはスマホ・タブレット・ノートPCなど複数の機器を持ち歩いていて、それらを同時にネットに繋ぎたいといった場合になります。

また自宅に居る時間が短く、家に専用の固定回線を引くのがもったいないと感じられるときにも、ポケットWi-Fiはその代替となり得るでしょう。
そして複数の機器をネットに繋いで大量のデータをやりとりするのであれば、通信量が一定金額で使い放題になる「ギガ放題」系のプランは非常に重要な意味を持つことになります。

ポケットWi-Fiでは通信量はどうなる?ギガ放題はある?

ポケットWi-Fiでは通信量はどうなる?ギガ放題はある?
ギガ放題は元々スマートフォン用に考案された料金プランの一種です。
基本的にはどんなに通信データ量を使っても料金が一定に収まる(ギガが減らない)プランのことを総じて「ギガ放題」と呼んでいます。
スマホと同じモバイル用回線を使っているポケットWi-Fiの料金プランはスマホを参考にしている点が多く、ギガ放題についても多くの事業者に取り入れられています。
ただし確実にギガ放題が存在しているわけではなく、使用可能な通信量(ギガ)が決まっていて使うほどにギガが減っていくタイプの契約しかない場合もあるので、注意しましょう。
また料金に関してもギガの上限が決められているプランの方が安く済む場合がほとんどなので、自分が1ヶ月間に利用する通信量を正しく把握していないと損をすることになってしまいます。

ポケットWi-Fiでギガ放題に入った方がいい人とは?

ポケットWi-Fiでギガ放題に入った方がいい人とは?
自分にギガ放題プランが必要かどうかは、利用するサービスの数と内容によって判断することができます。
たとえばメールとLINE程度しか使わないなら、1ヶ月の通信量はギガ単位どころかその下のメガ単位に収まっている可能性が高いと言えるでしょう。
上限1~3ギガのプランでも問題なく利用できるので、ギガ放題の契約はまったくの無駄ということになります。
スマホで頻繁に地図を開いたりニュース記事を読んだりする人だと上限3ギガでは足りなくなる可能性がありますが、それでも10~30ギガ程度あれば十分です。
逆に、一気に通信量が上がるサービスは動画とゲームになります。
特に動画を高画質で流しっぱなしにするとあっという間に数ギガのデータを消費してしまうので、ギガ放題はほぼ必須となってきます。
ゲームは通常プレイでの通信量は控えめにされていても、アプリ更新時には数ギガの通信量が発生することが珍しくありません。
そのためストレスなく遊びたいなら、やはりギガ放題プランに入っていた方が安心です。

ポケットWi-Fiでギガ放題を契約するメリット

ポケットWi-Fiでギガ放題を契約するメリット
ギガ放題を契約すると、ポケットWi-Fiを介した通信を一括して無制限にすることができます。
スマホのギガ放題プランで無制限になるのはあくまでスマホでの通信のみですが、ポケットWi-Fiならそれを経由して繋いだすべてのインターネット機器の通信費を節約することができるのは最大のメリットと言えるでしょう。
たとえば外出時にはスマホとノートPCの通信をポケットWi-Fi経由で行い、家に帰ってきたらゲーム機やTVなどの家電のネット機能もポケットWi-Fiで繋ぐようにするとすべての通信費がポケットWi-Fiのギガ放題料金のみに収まることになります。
家に固定回線を引いておかなくても済むので、スマホ料金と光回線料金を二重払いしている人にとっては大きな費用削減を見込むことが可能です。

ポケットWi-Fiでギガ放題を契約するデメリット

ポケットWi-Fiでギガ放題を契約するデメリット
ポケットWi-Fiのギガ放題プランは上限が決められているタイプの契約と比べると、どうしても割高になります。
ギガ放題で元を取れているのかどうかを判断することは難しいので、自分の運用方法をしっかり理解しておかないと逆に損をすることになります。

またポケットWi-Fiのギガ放題を使って周囲のネット環境を統一してしまうと、もしポケットWi-Fi本体の故障や紛失に見舞われると大変なことになってしまいます。
また普段スマホをポケットWi-Fi経由でネット接続するとしても、携帯電話番号の取得などの関係でスマホの回線契約自体は切れないことが多いのも注意点となります。
家の光回線は削減できても結局スマホ回線とポケットWi-Fi回線は二重払いになる可能性が高いので、その部分も丁寧に計算しておかないと思ったような経費削減効果が出ないこともあるでしょう。

そして、もっとも重要な点として「ポケットWi-Fiの回線は不安定」であることを失念しないことが大切です。
ポケットWi-Fiの回線速度や安定性は選んだ事業者だけでなく、そのエリアの環境や天候などによっても日々変わっていきます。
固定回線ほど信用することはできないので、特に災害などの非常時への備えは別に用意しておく必要があるでしょう。

ギガ放題のあるポケットWi-Fiレンタル

ギガ放題のあるポケットWi-Fiレンタル
ポケットWi-Fiを利用する方法としては本体を購入して回線契約のみを行うパターンと、回線契約と同時に本体をレンタルするパターンがあります。
ポケットWi-Fiの本体はスマホほど高額ではないので購入してしまうのも一つの手ではありますが、あまり使い回せるものでもないので大半の人はレンタルで十分でしょう。
またレンタル代金は契約プランによって変動することもあるので、ギガ放題系のプランを導入する際は本体のレンタル料金の変化にも注目しておくのがおすすめです。
ここからはギガ放題系のプランを持つレンタルポケットWi-Fiのうち、代表的なものを紹介していきましょう。

UQ WiMAX

WiMAXはUQモバイル系のポケットWi-Fi事業者が提供している通信規格です。
通常の回線よりも高速になりやすいのが特徴で、現在はモバイル回線の「5G」とも連携してより高速・大容量の通信を実現できるようになっています。
UQ WiMAXは現在「ギガ放題プラスS」と「ギガ放題プラスS Netflixパック」の2つのプランを軸に展開しており、WiMAXの高速・大容量の魅力を最大限に引き出す環境が整えられていると言えるでしょう。
特にNetflix料金がパッケージングされているプランはお得感が高く、外出先でも好きなだけNetflix動画が見放題になる点は大きな訴求力を持っています。
通常のギガ放題プラスSは最大ダウンロード速度が4.2Gbpsにも達しますが、これに関しては家に据え置くホームルーター型の数字である点に注意が必要です。
ポケット型の本体だと最大ダウンロード速度はWi-Fiの規格と本体性能によって制限を受けます。

BIGLOBE WiMAX

通信プロバイダ大手のBIGLOBEが行っているWiMAXサービスです。
基本的なサービス内容はUQのものに準拠しておりギガ放題プランに関しても同じ「ギガ放題プラスS」として提供されています。
ただしキャンペーン特典や分割払いなどBIGLOBE独自の施策も色々と用意されているため、UQと比べてどちらが特になるかはよく調べながら判断しておくようにしましょう。

カシモWiMAX

カシモWiMAXはシンプルなワンプランを特徴とするプロバイダです。
唯一のプランがそのまま通信量無制限となっているので、敢えてギガ放題を選択するかどうかを悩む必要もないのがメリットとなっています。
料金の低さや通信の安定性にも定評があるので、安価にWiMAX環境のポケットWi-Fiを使いたい人にとっては有力候補となるでしょう。

シンプルWi-Fi

シンプルWi-Fiはその名の通り、きわめて単純明快な契約内容を武器とする事業者です。
料金の変動や速度制限などサービスの複雑さに繋がる要素は極力排除されているため、とにかく単純に使えるポケットWi-Fiを求めている人とは相性抜群と言えます。
ただしキャンペーン割引なども期待できないため、よりお得を目指したい人は気をつけましょう。

レンタル以外のギガ放題系ポケットWi-Fi

レンタル以外のギガ放題系ポケットWi-Fi
最近、レンタル以外の選択肢として注目されているのが楽天モバイルのポケットWi-Fiです。
楽天モバイルでは端末購入を前提としたモバイルルーターサービスを開始しており、自社の通信エリア内ならば通信量が基本無制限になります。
ただし楽天エリアから少しでも出てしまうと最大5GB制限のあるauパートナー回線の方に自動的に切り替わってしまう点や、通信速度が下り最大150Mbpsとそれほど早くない点など問題も多数抱えています。
本体購入費用に関しては、キャンペーン割引で実質1円になることもあります。

ポケットWi-Fiのギガ放題プランを契約するときは通信量を把握しておこう

ポケットWi-Fiのギガ放題プランを契約するときは通信量を把握しておこう
ポケットWi-Fiはさまざまな端末を気兼ねなくネット接続できる点に魅力があります。
その武器を最大限に活かすには、ギガ放題のような通信量実質無制限プランの導入はほぼ必須になってくると言えるでしょう。
ただしギガ放題といっても各社によって個別に細かい対応は異なっており、あまりにも通信量を一度に使い過ぎると通信速度に制限がかかってしまうこともあります。
そのためポケットWi-Fiのギガ放題プランを契約する際には、一日ごとや1ヶ月ごとに消費する通信量(ギガ)を大まかにでも把握して自分の目的内で問題なく運用できるかをよく検討しておくことが大切です。

投稿者 nishida